映画について

登場人物

河合真如

伊勢神宮神職。公害問題に直面して自然との共生思想をもつ神道に共感し、昭和50年神宮に奉職。学識深く当意即妙で的確な語り口で講演も人気が高い。

隈研吾

建築家。原産地の素材を活して地域や環境と密着融合するスタイルで国際的に評価が高い。根津美術館、新歌舞伎座をはじめ世界中に多数の作品がある。

小川三夫

宮大工棟梁。法隆寺の鬼と呼ばれた伝説的棟梁の故西岡常一の唯一の内弟子。法輪寺三重塔などの再建に活躍。現在は後継者の育成に力を注いでいる。

北野武

映画監督。国民的なタレントとして活躍する一方、世界的な映画監督として名声を博す。「HANA-BI」でベネチア国際映画祭グランプリを受賞。

倉田克彦

神宮司廳営林部。伊勢神宮の森を管理している。数百年後を視野に入れた計画を継承して式年遷宮に使用する御用材の檜を育てている。

池田聡寿

木材会社経営。数百年以上伊勢神宮に遷宮の御用材を納めてきた長野県木曽郡の大檜林で代々木材業を営み伝統的な方法で森を育てている。

大野玄妙

法隆寺第129世住職。3歳から法隆寺に住み小学3年生で得度。法隆寺は7世紀に創建された現存する世界最古の木造建築物群である。

田中克

京都大学名誉教授。沿岸生態系の研究や稚魚の生理生態研究の第一人者。里山の重要性を指摘し森から海までの統合学問「森里海連環学」を提唱する。

大橋力

脳科学者として高周波の音が脳を活性化する「ハイパーソニック・エフェクト」を発見。音楽家として芸能山城組主宰。映画「AKIRA」の音楽を担当。

畠山重篤

宮城県気仙沼湾で代々牡蠣養殖業を営む。20年以上漁師による植林活動「森は海の恋人運動」を主宰する。国連「フォレスト・ヒーローズ」授賞。

宮脇昭

横浜国立大学名誉教授。土地本来の植生を活かす独自の森作りの方式を編み出し万里の長城からケニアまで世界各国で計四千万本以上の植樹を実践。

成澤由浩

料理人。「森とともに生きる」をテーマに料理を通して環境問題を訴え続けている。世界で最も影響力のあるシェフにも選ばれる。


ディレクター・ステイトメント

「神は空気さえも誰にでも無差別に与えて下さっています。」

9年前、森に包まれた伊勢神宮内宮参道内を歩きながら神官の方から聞いたその一言が、正に私の伊勢神話への旅のはじまりでした。

二千年にも及ぶ悠久の時を超えて、太古の人々が森と言う名の神と共存し現代の日本人に伝へ、そして全ての人間の深層に、まるでDNAに刻印の様に焼き付けられた循環再生を通じて得た自然と向き合って来た記憶。そしてその先の感謝の祈り。

この映画は十年間伊勢神宮を追い続け、その記憶を探る旅に出た写真家が出したひとつの答えの集大成だと思っています。

写真では表現出来ないことへの枯渇した想いが映画という新たな表現を呼び込んだのかも知れません。

監督 宮澤正明

宮澤正明プロフィール

1960年東京生まれ。日大芸術学部写真学科卒。
1985年に赤外線作品「夢十夜」で米国ICP第一回新人賞。
代表作「RED DRAGON」「伊勢神宮」「蝶LIVING IN JAPAN」


プロデューサー・ステイトメント

数年前、幼少期以来のお伊勢参りで、私は新鮮な驚きに胸を打たれました。

千数百年以上もの間脈々と続く、衣食住にわたり自給自足で神々を祀るという精神。そして、初めて御垣内参拝をさせていただいた内宮の、清浄で張りつめた、その圧倒的な空気感。聞けば神宮では、自分のためでも自国のためでもなく、全人類の平和のために毎日祈りが捧げられているのだとか。

この感動をきっかけに深まった伊勢神宮への関心が、宮澤監督をはじめとする優秀なチームとの出会いに幸運にもつながり、この度映画という形で結実しました。

伊勢神宮を掘り下げると、我々が求める答えが見つかるかもしれない。この映画で、その核心に少なからず近づけた気がしています。

エグゼクティブプロデューサー 奥山秀朗


スタッフ

監督/撮影監督: 宮澤正明

エグゼクティブプロデューサー: 奥山秀朗

プロデューサー: 服部進, 鎌田雄介, 瀧澤信

編集: 宮島竜治

構成: 鎌田雄介

音楽監督: 立川直樹

音楽: アキコ・グレース, 喜多嶋修

エンディングテーマ曲: 「GIFT」 AUN J クラシック・オーケストラ

製作: サステイナブル・インベスター

制作: ハートツリー, ジェネレーション・イレブン・ピクチャーズ

制作協力: 宮澤正明写真事務所

配給: ジェネレーション・イレブン・ピクチャーズ, ライブスパイア