映画について

イントロダクション

長編ドキュメンタリー 「うみやまあひだ 〜伊勢神宮の森から響くメッセージ〜」

2015年マドリード国際映画祭・外国語ドキュメンタリー部門最優秀作品賞他二冠、世界三大ドキュメンタリー映画祭シェフィールド国際ドキュメンタリー映画祭2015年環境賞ノミネート

1000年ずっと、森と生きてきた日本人。
1000年後に、あなたは何を残しますか?

豊かな自然に畏敬の気持ちを抱きながら、森から海へ、また森へとめぐる自然の恵みを感謝と共にいただき、古来、自然と折り合いをつけて生きてきた日本人。

その心と暮らしの原型を伊勢神宮に見出した写真家 宮澤正明は、ここに私達の未来への一つの答えがあると直感し、4Kカメラを手に伊勢の森から各地の森へ、点と点を結ぶ旅を続けました。

やがて見えない糸で人と人がつながり、言葉が響きあい、日本初の4Kドキュメンタリー映画「うみやまあひだ」が完成しました。

澄んだ空気を肌に感じる圧倒的な映像美、心に染みわたる音楽、そして12 人の賢人が語る知恵の言葉の数々……。

観終わったとき、新しいあなたは何を思うでしょうか。答えはきっとあなたの中にあります。

美しいものをより美しいと感じられる心を耕しに
鎮守の森へ旅に出かけましょう。

神秘が放つ映像美。
写真家 宮澤正明が切り撮った式年遷宮

伊勢神宮で約千三百年にわたり続けられている、二十年に一度の式年遷宮。

古い社殿の隣に全く同じ様式の新しい社殿を建て、神様にお遷りいただくこの大祭は、気の遠くなるような歳月を超えて守り継がれている世界でも珍しい神事です。

広告、雑誌、写真集と幅広いメディアの第一線で活躍する写真家 宮澤正明は、二〇一三年に行われた「第六十二回式年遷宮」を十年にわたり追い続けました。

研ぎ澄まされた感覚と対象への温かいまなざしが捉えた、伊勢神宮。

その厳かで清らかな佇まい、見たことのない遷宮の神事の数々、そして「浄闇」の中で行われる秘められた遷御の儀。時空を超えた圧倒的な存在感、その美しさに心奪われます。

森に分け入り、賢人と出会う。
日本の心を探る旅の記録

式年遷宮を見届け、その叡智の神髄を「映像」で探ることを決意した監督 宮澤正明。

「なぜ日本人はこの儀式を絶やさず、祈りを捧げ続けてきたのか。」との想いを胸に、神宮の森から木曽の大檜林、白神山地など全国各地の森へと旅を続ける内、見えない糸に導かれるように賢人達に出会います。

漁師 畠山重篤と共に木を植え、宮大工棟梁や世界的科学者の話に耳を傾け、隈研吾と北野武に宇宙観を聴く……。

日本中をめぐって自然と人とを紡いだこのドキュメンタリーは、まさに「うみやまあひだ」に生きる日本の心を探った旅の記録。

一緒に旅するように、映画をお楽しみください。

冴えわたる朝の空気。
その温度まで伝わるような、4k映像

早朝の伊勢神宮。神様に食事を捧げる「日別朝夕大御饌祭(ひごとあさゆうおおみけさい)」を執り行う神官たちが、白い砂をざくざくと踏みしめて歩く。

例えばそんなシーンで、ひんやりと澄んだ空気の温度まで皮膚が感じとってしまうぐらいに、臨場感を味わえるのが大画面・高解像度の4K映像。

キラキラ揺れる木漏れ日や、木々の樹皮、幹をつたう水の一滴までがクリアに再現され、一瞬、本当に森の中に居るような気分にも。

美しい映像にひたれば、観る前と少し違う自分になれそうです。

せせらぎもオーケストラも。
溶け込みながら響きあう音楽

感性鋭い写真家が切りとった映像美と日本の心を探るストーリーの魅力を増幅させているのが、音楽監督 立川直樹総指揮のもと、アキコ・グレース、喜多嶋修、AUN J クラシック・オーケストラによって創出された音楽です。

せせらぎや鳥たちのさえずりなど爽やかな自然音に溶け込みながら、やさしくピアノが語りかけ、厳かな和楽器の調べが胸に迫ります。

森が奏でるハイパーソニックサウンド(聴覚では聞き取れない高周波の音)の心地良さに、眠っていた感覚が目覚めてきそうです。